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タイコーヒー普及で 現地山岳民族を支援 Yamaki COFFEE (中板橋)

東上線中板橋駅北口からほど近い路地に建つタイコーヒー専門店、Yamaki COFFEE(ヤマキコーヒー)。オーナーの山木輝彦さんが、タイに魅入られ、現地の山岳民族を支援するために開いた。スッキリした味わいに特徴がある。

タイに旅行しフィーリングが合った

―お店を出したのはいつですか。

山木 3年前です。

―タイ産のコーヒー豆を扱うようになったのはどのような経緯からですか。

山木 私は元々医療系の会社に勤めていました。9年ほど前、知人に若いうちに海外を一人で旅をしてきたらよい経験になると言われ、タイに行きました。その時、タイっていいなと思い、何回も出向き、タイとつながりを持つにはビジネスで何かできないかという気持ちになりました。タイでコーヒー豆を栽培していることを知り、いろいろ調べると、貧困問題から始まり、今もタイで栽培されているコーヒー豆は進歩しつつあること、日本にそれほど輸入されていないことなどがわかりました。現地の山岳民族からたくさん買えれば、貧困問題の解消に少しは役立てるかと考え、タイのコーヒー豆を扱うようになりました。

―タイのどのような点が気に入ったのですか。

山木 フィーリングが合ったと言いますか。日本のなつかしい感じがしました。みんな穏やかで、来る人にやさしい。日本に友好的です。だけど貧しい人も多い。タイのために何かしたいなと思いました。

ェンライの山岳民族、アカ族が栽培するコーヒー豆を直接輸入

―扱っているコーヒー豆はタイのどこで栽培していますか。

山木 今使っているコーヒー豆は北部のチェンライの山岳民族、アカ族が栽培しているものです。この地域は昔、アヘンを栽培しゴールデントライアングルと呼ばれていました。25~30年前に国家プロジェクトとしてコーヒー豆やお茶を作ることが始まりました。

山岳民族は国籍のない人が多く、会社などで働けない人とか医療も受けられない人もいる。山岳民族の人がコーヒー豆を売ってお金が入れば国籍も取りやすくなる。私がコーヒー豆を買うことで支援にもつながります。

―直接取引しているのですか。

山木 独自に輸入しています。

―日本で他に扱っているお店があるのですか。

山木 最近増えています。タイのコーヒー豆の評価が上がっています。

―焙煎は。

山木 ここでしています。近々今より大きい焙煎機に買い換えます。

スッキリとしたコク、かろやかな苦み

―味の特徴は。

山木 当店では、「森の実りコーヒー」と名づけていますが、スッキリとしたコク、かろやかな苦みがあると表現しています。

―メニューに料理もあるのですね。

山木 タイのカレーとガパオ風ライス。カレーは以前、グリーンカレー、イエローカレー、レッドカレーを出していたのですが、辛いのが苦手な人もいるので、レッドカレーをマッサマンカレーという辛くないカレーに変えました。

―デザートも。

山木 タイには関係ないですが、ベイクドケーキ、ガトーショコラ、プリンなどのデザートもあります。自分で作って、食べて、おいしいものをお出ししています

タイのコーヒー豆を知ってもらいたい

―以前からコーヒー店をやりたかったのですか。

山木 コーヒーは飲むのは好きでしたが、タイとの縁で始めました。元々独立はしたかったので。

―なぜ中板橋にお店を出したのですか。

山木 出身が吉見町で、サラリーマン時代は新宿勤務でしたので、東上線沿線で中間地点なら、両方の仲間が来てくれればと思いまして。

―世の中に訴えたいことは。

山木 一番はタイでコーヒー豆を栽培しているということですね。栽培しているのは山岳民族の人ですから、タイのコーヒー豆が知られメジャーになれば、現地の山岳民族の支援になります。

―いわゆるフェアトレードをうたわないのですか。

山木 フェアトレードは好きではありません。認証を受けるのが結構大変で、手間も費用もかかります。消費者はフェトレ―ドだということでたくさん買うかもしれない。すると生産者も選ばれる必要が出てくる。生産者は選ばれるのにどうしたらよいかとか、もしかしたら賄賂とか接待とかになるかもしれない。それではフェアではないような。認証がなくても僕みたいに直接買った方がよほどフェアトレードの気がします。その方が生産者はそのままお金が入るわけですから。

―店の立地はちょっと目立たないですね。

山木 まだ僕もメジャーじゃないし、場所もメジャーじゃないし、タイのコーヒー豆もメジャーじゃない。何かが突出していれば認知されるのですが。それでも少しずつ浸透はしています。

Yamaki COFFEE 東京都板橋区中板橋26-2

                 (取材2019年10月)

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