富士見市上沢1丁目の通り沿いに店を構えるカフェ「Tumugi(つむぎ)」。加美雄大・智里夫妻が、デンマークの手芸学校をイメージし、2年半前に開いた。周囲は住宅地で決して目立つわけではない小さな店だが、ゆったりとした空気の流れる空間、コーヒーの味、スコーンなどおやつ類に、二人のこだわりがつまっている。
「Pause」(パウゼ)というコーヒーを飲む休憩の時間
―Tumugiとは。
加美 日々を丁寧に「紡ぐ」という意味ですが、デンマークの手芸もイメージしています。
―デンマークの手芸とはどうして。
加美 昔、妻がデンマークの手芸学校に留学をしていたことがありまして、そこで「Pause」(パウゼ)というコーヒーを飲む休憩の時間があり、それがおだやかなよい時間だったので、ここでも再現したいという思いでこの店を開きました。
―オープンはいつですか。
加美 2017年の4月です。
いつ飲んでもおいしいコーヒー
―コーヒーのこだわりはどの辺に。
加美 飲みやすいコーヒーというのが一つのコンセプトで、いつ飲んでもおいしいというのが目指しているところです。ストレートコーヒーもお出ししていますが、ブレンド(中煎り、中深煎り、深煎り、各400円)が定番で、いつ来ても安心しておいしいコーヒーが飲めるということがこだわりのポイントになります。
―豆とか、焙煎の仕方は。
加美 プレミアム以上の高品質の生豆を使い、焙煎の前と後で2回のハンドピック(豆の選別)をしていますが、あえて農園や生産者名は出していません。コーヒー店としての仕事は入ってきた素材を活かし、店独自の味を作りだすのが大事だと思います。味がすべてで、自分が納得した味を作れるように、素材のことはうたわずに店のコーヒーとして飲んでいただきたい。
毎日食べても体に負担がかからないおやつ
―おやつも出されている。
加美 特徴はマクロビオティックの考え方を取り入れて乳製品と卵と白砂糖を使っていないことです。とても体にやさしい味わいで、毎日食べても体に負担がかかりづらいです。
―具体的なメニューは。
加美 主に焼き菓子、スコーンと米粉を使ったケーキが主です。お店でお出しするおやつプレート(飲み物とセットで1000円)というのがありますが、スコーン、ケーキ、クッキー、おとうふクリームがつきます。
―持ち帰りもできますか。
加美 はい。お店でもインターネット・お電話での注文も。
カフェめぐりが二人とも好きだった
―どうしてこちらに。
加美 結婚を機にふじみ野に住み始めたのですが、お店を開こうと物件を探して、こちらの場所が見つかりました。この辺は多少土地勘がありましたし。
―脱サラですか。
加美 そうです。カフェめぐりが二人とも好きで、いろいろなお店に行くなかで自分たちにもできたらいいねという話はしていたんです。知り合いの雑貨店で出張カフェをやる機会があり、月に1回か2回開いていたらすごく楽しくて、もっと極めたいと。
たまたま前を通りかかってなんだろうと入っていただけた方が出会い方にドラマがある
―この辺はこのようなしゃれたお店はなかったです。
加美 すごく立地がいいわけではありませんが、選んで来ていただきたいという思いがあります。出会い方っていろいろで、大通りにあって目立つお店に入ってみようかと入る場合もありますが、人づてであったりたまたま前を通りかかってなんだろうと入っていただけた方が出会い方にドラマがあると思っています。この立地はよかったなと思っています。
―2年たっていかがですか。
加美 徐々にであるのですが、来てくださり気に入ってくれた方、紹介されてこられる方も増えてきました。続けていかなければわからないことの発見の連続です
―金子勝元県議が近くですね。
加美 お近くですので、たまにいらっしゃいます。
手芸教室
―手芸の教室も開かれている、
加美(智) デンマークの刺繍などのワークショップを2ヶ月に1回程度開いています。
―デンマークはどんな印象でしたか。
加美(智) 人もやさしいし、田舎でしたので自然も多く時間がゆっくり流れていました。
(取材2019年10月)
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