床面と壁面の平面に描いた絵なのに、カメラで撮影すると意外で面白い世界が広がる。この3次元トリックアート(3Dアート)の分野を切り開いているのが、狭山市在住の作家、服部正志さんだ。服部さんは、3月末、観光客でにぎわう川越・札ノ辻交差点近くに常設館「トリック3Dアートin Coedo」を開いた。
床のシートも使い、3Dに
―トリック3Dアートとはどのようなものですか。
服部 カメラを覗いていただくと面白い世界が開けます。たとえば、平面の絵が階段に見えるとか。
―3次元のトリックアートということですか。
服部 そうです。僕の場合は床のシートもたくさん使って、立体感をより出していますね。床のシートを使うことで3Dになるということです。
―絵はどのように制作するのですか。
服部 CG(コンピューターグラフィックス)で制作し、印刷します。
―これをやっている人は他にもいるのですか。
服部 いるでしょうけれど、専門的にやっている人は少ないです。
―きっかけは。
服部 今の時代皆さんカメラを持っていますので、カメラを使って参加するアートということで、見るだけでなく参加して楽しめるということが、最大のポイントなんです。非常に皆さん喜んでいただけるので、僕もやっていて楽しいじゃないですか。それでこれをやっています。
全国各地でイベント
―アイデアは自分で思いつくのですか。
服部 お客さんに飽きさせないように、いろいろなトリック、アイデアでやっています。
―普段はどのようなところで展示を。
服部 各地でイベントをやっています。ここ数年でだいたい全国100ヵ所くらい開きました。現在も狭山市立博物館で開催中です。観光地の常設館は、九州に2つ(湯布院、門司港)あり、今回は、隣の市に住んでおり川越が面白いかなと思いまして。
―川越の常設館はよい場所ですね。
服部 ここは人通りが結構ありまして、ディスプレイに顔が動くモナリザを置いており、人目を惹くようです。
―作品を売ることはできるのでしょうか。
服部 参加型なので所有というビジネスモデルは難しいと思います。
海外メディアも注目
―出身は。
服部 出身は名古屋ですが、今住んでいるのは狭山市です。
―大学は多摩美術大学だそうですね。
服部 そうです。出てからいろいろなことをやりましたが、ここのところはこれが楽しいし、新しい未開の分野なので、結構夢中になってやっています。
―海外メディアに取り上げられている。
服部 去年の夏の川崎市民ミュージアムのイベントをAP通信の人が見にきてくれて発信してくれ、フランスやドイツのメディアからの取材を受けました。パリとかで開きたいと申し出は来ていますが。
(取材2018年4月)
服部正志氏ホームページ http://www.mhttr.com/
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