東京・墨田区東向島の東武博物館で、「東武鉄道 平成・令和の四半世紀【1999-2023】~根津嘉澄社長・会長の25年を振り返る~」と題する企画展が開かれている(2024年2月25日まで)。2023年6月に退任した根津嘉澄社長(現会長)の社長在任時の東武の歴史を振り返った内容だ。
根津嘉澄氏は、「鉄道王」と呼ばれた初代の根津嘉一郎社長を祖父に持ち、同社の中興の祖とされる2代目根津嘉一郎社長の次男。1999年に社長に就任、24年間東武鉄道のかじをとり、2023年6月に会長に就いた。後任社長には、非同族の都筑豊氏が就任した。
根津嘉澄社長の在任中、東武鉄道は営団(現東京メトロ)半蔵門線、東急田園都市線、日比谷線、副都心線、東急東横線、横浜高速みなとみらい線、JR東日本など他社との相互乗り入れを実現し、鉄道ネットワークを飛躍的に充実させた。また、墨田区押上の旧本社隣接地に高さ世界一の電波塔東京スカイツリーと商業施設を建設、伊勢崎線を「東武スカイツリーライン」に改称するなどスカイツリーをシンボルとした沿線・地域開発進めた。
東上線に関しては、東京メトロ副都心線、東急東横線との相互直通運転を実現した他、座席定員制列車「TJライナー」、川越特急運行を始めた。
根津嘉澄社長時代の東武鉄道の主な出来事(展覧会展示年表より作成)
1999年6月 | 根津嘉澄氏代表取締役社長就任 |
2001年3月 | 伊勢崎線北千住・北越谷間複々線化 |
2002年3月 | 東上線つきのわ駅開業 |
2003年3月 | 伊勢崎線・日光線、営団(現東京メトロ)半蔵門線、東急田園都市線[南栗橋~押上~渋谷~中央 林間間]で相互直通運転開始 |
2003年9月 | 貨物営業を全廃 |
2004年4月 | 南栗橋車両基地に工場棟が完成 |
2005年3月 | 東上線小川町・寄居間でワンマン運転開始 |
2006年3月 | JR新宿~東武日光・鬼怒川温泉間でJR東日本と特急列車の相互直通運転開始 |
2008年6月 | 東上線、東京メトロ副都心線[森林公園~和光市~渋谷間]で相互直通運転開始 |
2008年6月 | 東上線で座席定員制列車「TJライナー」運行開始 |
2009年9月 | 新本社ビル竣工 |
2012年3月 | 業平橋駅をとうきょうスカイツリー駅に改称 |
2012年5月 | 浅草駅ビルリニューアル(竣工当時の外観を再現) |
2012年5月 | 東京スカイツリータウン開業 |
2013年3月 | 東上線、東急東横線、横浜高速みなとみらい線と相互直通運転を開始[森林公園~和光市~渋谷~横浜~元町・中華街間] |
2014年3月 | 船橋駅で東武初のホームドアを使用開始(2023年10月現在14駅に設置) |
2014年5月 | 東上線開業100周年、2種類のリバイバルカラー車両が連結した特別編成列車運転 |
2017年4月 | 特急車両500系リバティ就役(特急リバティ会津として野岩鉄道・会津鉄道へ乗り入れ) |
2017年8月 | 鬼怒川線下今市~鬼怒川温泉間においてSL大樹運転開始 |
2019年3月 | 東上線に川越特急新設 |
2020年6月 | 東武線・東京メトロ日比谷線相互直通の座席指定制列車「THライナー」70090型の運行開始 |
2020年10月 | 東上線にみなみ寄居(ホンダ寄居前)駅開業 |
2023年3月 | 東上線、東急新横浜線、相鉄線[小川町~和光市~渋谷~日吉~新横浜~海老名、湘南台間]と直通運転を開始 |
2023年6月 | 根津嘉澄氏代表取締役会長に就任 |
2023年7月 | 特急車両N100系スペーシアX就役 |