石膏板に太陽や月、動植物などを鮮やかな色彩で描いた時計。千葉県九十九里沿岸にSiacca(シアカ)工房を構える大木章子さんは、イタリアに魅せられ、その明るさ、素朴さを形にしている、という。東京・銀座にギャラリーを開き、12月には東京・池袋の西武百貨店でも展示会がある。
石膏板の時計
-時計は何でできているのですか。
大木 石膏の板です。石膏に土などを混ぜて板(石膏マーブル)を作り、それをカンナで削って 彫刻刀で絵を彫って、彩色した後、乾燥焼きします。
-どうして、このようなものを作ろうと。
大木 私は元々美大を出て、ミクストメディア、レリーフなど主に現代美術の分野で絵を描く仕事をしています。ただ、絵はどうしても値段もはるし一般のお家で買うという文化になっていません。それで、このように時計にすれば若い人でも壁に飾ってくれるかなと、いうのが始まりです。
-今は、時計以外のものも作られるのですか。
大木 最初は時計でしたが、お客様から身に着けて私の絵を楽しみたいというご要望があり、革に染めたり布に染めたり、革小物、布小物も扱うようになりました。
シチリア島
-Siaccaとは。
大木 シチリア島にある町の名です。イタリアを旅した時、気に入り、うちの屋号にしています。
-作品はイタリアの風土から影響を受けているのですか。
大木 やはり、イタリアの素朴で明るい感じが大好きなので。それを表現したいと思っています。
-時計もイタリア風ですか。
大木 イタリアでは、壁に飾る習慣とか、絵皿時計とかとても普及しています。絵柄も、太陽とか月、レモンとかオリーブはポピュラーです。
千葉県白子町に工房
-ご出身は。
大木 福岡県の柳川です。
-工房は。
大木 25年前に、千葉県の白子町に工房を作りました。昨年、銀座にギャラリーを開きまして、そこでは、若い人でもお求めしやすいような絵を置いています。
-作品はどこで求められますか。
大木 デパートなどでイベントを開いており、あとはインターネット販売も行っています。
-お値段は。
大木 時計は、3500円とか5000円の作品が、プレゼント用によく出ます。リビング用では1万円とか2万円のサイズをおすすめしています。
Siacca工房ホームページ http://www.siacca.com/
(取材 2017年9月)
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