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ガンや認知症にも効果 サフランを地域の特産品に鶴ヶ島市

香辛料・着色料としてサフランライスなどに使われるサフラン。健康にもよく、ガンや痴呆症にも効くとされる。

サフランは、関東地方にはほとんど産地がない。高齢者にも栽培しやすく、鶴ヶ島市が地域農業の特産品に育成する事業に取り組んでいる。

通常は香辛料・着色料として使用

 サフランは、アヤメ科クロッカス属の球根植物で、11月頃に薄紫色の花を咲かせる。めしべを乾燥して、サフランライスやパエリアなど食品の香辛料・着色料として用いられる。

 また、サフランは気持ちを落ち着かせたりや血液の流れをよくする働きがあり、古くから冷え性、疲労、不眠などに効果がある薬用植物として珍重されてきた。現在、生薬として薬品にも使用されている。

大分県竹田が産地、鶴ヶ島では現在10軒の農家が栽培

 産地は、イラン、スペイン、中国などだが、日本でも明治政府が栽培を奨励、現在国内では大分県竹田市では栽培が盛んだ。鶴ヶ島でも、40~50年ほど前まで農家の庭先などでサフランが栽培されていたという。

 鶴ヶ島市では、2012年度からサフランの特産品化事業に着手、13年4月には産・学・官・民の連携する「鶴ヶ島サフラン・スーパーサポーターズ」を設立。14年度から農家栽培が始まり、現在は10軒の農家が参加している。

 鶴ヶ島におけるサフランの栽培は、竹田市から球根を取り寄せ、竹田方式(室内開花方式)で行っている。5月に球根を掘り出し、夏期は球根を室内に保管する。11月に開花、花摘みをしてから、畑に球根を植える。

サフランの球根

サフランの球根

メシベ

メシベ

軽作業で高齢者にも栽培しやすい

サフラン栽培は、広い農地を必要とせず、軽作業で、高齢者でも取り組みやすいという。

サフランは1つの花から3本のめしべしか取れず、生産量が限られる。鶴ヶ島市では、現在各農家の生産物を市に集約した上で、販売している。販売価格は、個人向けが0.5グラムで540円、業務用が1グラム800円。業務用は、現在市内の飲食店、菓子店など7店に卸し、各店でサフランを使用した商品を提供している。

市では15年10月4日、サフランの専門家である齋藤洋東京大学名誉教授を招き、「サフラン物語」と題する講演会を開いた。齋藤教授によると、サフランはガンの他、老人性痴呆にも効果があるという。

 

高齢者にも栽培しやすく、健康にもよい。鶴ヶ島市では、現在お茶以外に目立った産物のない地域農業の特産品にと、期待している。

(2015年10月)

 

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