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透明水彩絵の具で地域の自然を描く  清澤正孝さん  (寄居町)

透き通るような木の葉の緑。透明水彩絵の具で、地域の自然を描き続ける清澤正孝さん(寄居町)。初めて絵本を制作し、その原画の作品展を開く(長瀞町のCOFFEE&GALLERY風の丘10月1日より29日まで)。

にじみやぼかしも使える透明水彩

-水彩画専門なのですか。

清澤 透明水彩絵の具以外は使っていません。

-なぜ透明水彩を。その魅力、面白さは何ですか。

清澤 うすくも濃くも描けるし、エンピツでさっと描いて簡単に色をつけることもできるし、油絵とは違いますが重厚に描こうと思えば描けます。にじみとかぼかしも使える。水墨はスミですから、色では透明水彩以外ありません。あとは、色が濁らず、きれいです。透明度のある絵の具は、透明水彩かカラーインクだけです。

身近な地域の自然の風景

-描くのは風景ですか。

清澤 風景とか花が多いです。元々、自然を見て、自然を感じ、あくまで自然の素晴らしさを伝えたいのが原点です。ただ、風景だけではたとえば雨の日は行けません。じゃあ、庭の花も描きましょうと。花は描き方も変えられるし、楽しい。風景の場合は、風景そのものに意味があり、おろそかにはできない。時間もかかります。

-地域の身近な風景ですか。

清澤 そうですね。寄居とか秩父とか、長瀞、小川町。自分が行ける範囲でしか描いていないです。自然は普遍的ですから、地域の絵を描いたとしても、日本中どこにでもあるような風景です。

-写生をされる。

清澤 基本は現場に行って描き、帰ってきてから、作ります。

15年前に画家として独立

-絵を描くようになったのは。

清澤 スケッチが子供の頃から好きでした。元々カフェのようなところで働き出したのですが、絵が好きだったのでデザインの仕事を始めました。友達と会社を興し、最初アパレル関係、それからプロ野球とかスポーツ関連グッズを製作していました。

-それがどうして水彩画に。

清澤 家内が地域の絵画クラブの活動をしていて、僕はたまに運転手で参加していましたが、クラブに入ってくれと言われ始めました。水彩は、版画家の友達がホルベインの透明水彩絵の具をくれたので、使い始めたら面白く夢中になりました。

-画家として独立したのは。

清澤 2003年頃ですが、公民館から作品展をやってくれと頼まれました。そうしたら、来た人から絵を売ってくれと言われた。その中のおばあちゃんが、地域の風景を見て感動し、涙を流しながら、ここに昔住んでいたといろいろ説明して「ありがとうございました」。絵を描いてお礼を言う人がいるんだと知りました。デザインでは、お客と直接触れ合うことはなかった。
作品展をやるたびに、売ってほしいという人が増えて、依頼があって描くようになりました。そのうち、生徒を教えてほしいという要望も出て、いつのまにか、教えたり、絵を売るようになりました。教室来る人は、作品展を見にきて、教えてくださいという人がほとんどです。

-透明水彩専門の方は他にもいるのでしょうか。

清澤 透明水彩だけでやる人は非常に少ないです。大学に行けば、洋画と日本画しかありません。洋画はほとんど油絵で、油絵は具象か抽象かと分れます。透明水彩に出会うことがまずありません。透明水彩はオリジナルでやる方が多いです。

自然が気に入って寄居へ

-ご出身は。

清澤 静岡県です。

-寄居へはどうして。

清澤 結婚して子育てで来ました。東京に住んでいたのですが、なるべく自然のあるところがよいなと選んで。

-この地域の自然が気に入っている。

清澤 育ったところ(今の磐田市)に似ているんでしょうね。海の近くですが、田んぼや畑、山や川は、何となく近い風景です。

アトリエ「青い空」

-アトリエは。

清澤 寄居町用土に「青い空」と名づけたアトリエがあります。

-展覧会は。

清澤 年1回は作品展を熊谷・八木橋百貨店で。あとは長瀞のギャラリー風の丘、小川町の埼玉伝統工芸会館など。制作が間に合わず、年に2回くらいしか開けません。

-教室は。

清澤 寄居のアトリエ、熊谷、深谷、鴻巣のカルチャーセンターの他、公民館で教室があります。

絵は癒し

-価格帯は。

清澤 1号15000円くらいからです。

-ご自身の絵のどのような点をアピールしたいですか。

清澤 絵を売るために描いているわけではありませんが、絵にどんな役割があるかというと、やはり絵は癒しだと思います。一日の仕事で疲れた時、絵があって、ああ心が休まるなと思ってくれればよいかな。

あとは、自然の素晴らしさをわかってほしいのが一番です。地域ももっと地域に誇りをもってほしい。

-水彩画ももっと普及するといいですね。

清澤 水彩画のよさ、透明水彩とはどんなものかをわかってくれる人が増えてくれたらと思います。

絵本を出す

-絵本を作られたのですか。

清澤 「妖精の森」という題の子供向けの絵本を作りました。10年ほど前からあたためていた企画です。長瀞の風の丘での作品展でその原画を展示します。

-文も自分で。

清澤 「さわきよし」の名で絵と文を書いています。

(取材 2017年9月)

アトリエ青い空 http://www.geocities.jp/art_kiyosawa/index.html

カフェ&ギャラリー風の丘
長瀞町大字野上下郷2372-1

Tel:0494-66-0082

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