私は、地域探訪も面白いが、もう一つ株式の新規上場銘柄の社長の話を聞くのが楽しみである。上場時、あるいは決算説明会などのインタビュー動画をネット上で見ることができる。上場までこぎつけるのは相当の会社である。経営者の人となり、ビジネスモデル、事業を押し上げた社会環境など、興味は尽きない。最近で一番面白く、かつ驚いたのは、AI insideという会社である。2019年の上場なので少し前のことだが、最近になり初めて渡久地択社長のインタビューを見た。初め、農家のおとなしい青年のような印象だった。通常の新規上場社長のようなギラギラ、スマート感がない。しばらく聞くと、同社のOCR(文字読み取り)は手書きのくずし字でも書き損じでも対応できるという話しで引き込まれた。この人はひょっとすると。調べると、1984年生まれ、大学1年で中退、独力でAIの会社を興したようだ。びっくりするのはこれからだ、同社の株は去年の秋にはほぼ10万円をつけた。渡久地社長は1000億円の資産家になった。ところが、今年の4月、株価は大暴落、現在はほぼ10分の1まで落ちた。それは、昨年度の収益躍進をもたらしたNTT西日本との大口契約(OEM)が解除され、売り上げのほぼ4割が蒸発したことによる。私は知らなかったが株式市場で話題になったようだ。解約の原因はわからないが、渡久地社長は雑誌のインタビューで顧客からの注文が想定以上でメンテナンスが追いつかなかったためと説明している。真相は不明だが、私個人としては依然魅力的な会社である。
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