「国勢調査」によると、2010年の65歳以上人口の比率は23.1%と世界1となり、65歳以上男性の10人に1人、女性の5人に1人は1人暮らしという。
まさに日本は高齢化、1人暮らしの道を突き進んでいる。
先日、介護関係NPOで活躍されている方の講演を聞く機会があった。
1人暮らし高齢者は孤立化しており、その結果、栄養失調、運動不足という問題が深刻化しているという。
栄養失調は、お金がないからではなく、主にめんどうで料理を作らなくなることによるという。これは意外だ。リンゴの皮をむけない自分としては女性は必ずご飯をきちんと作れるものと思っていた。
運動不足は、出歩かないのが原因で、その背景に「友達がいない」、「行くところがない」ことがあるという。
なんともさびしい話だ。対策として行政では介護保険のサービスでデイサービスがあり、1日遊ばせてくれる。NPOなどが運営する、集まってお茶を飲む「コミュニティカフェ」が盛んだ。
しかし、デイサービスもコミュニティカフェも、努力は認めるが、高齢者だけをわざわざ集めるという発想がどこか変だ。
本来は、誰でも自由に参加できる公共空間があり、そこでコミュニティが形成されるのが理想だ。食事もいつでもいける、安くておいしいレストランがあればよいはず。
公園も様々な公共施設も十分ではないが、整備は進んでいる。外食産業は超激戦だ。ハードは整っている。
それなのに、老人は家に閉じこもる。それは、自力で動けない人は仕方がないが、日本人のモノの考え方にも根源があるように、私は思う。
道端に1人で座っていれば怪しい人だと見る。公園のベンチは寝転べないように敷居を作る。1人でレストランに行くのが気が重い。
閉鎖的な国民性が最後に自分に跳ね返ってくる。
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