菅首相が民主党の代表に再選された。
私は、個人的に会ったことはないが、パーティなどで何度か菅氏の挨拶を聞いたことがある。そのときの印象は、おおげさに言えば「この人は天才かもしれない」というものだった。
私は元々経済分析を専門としているが、彼は経済の見方、その処方せんが実に独創的なのである。最近言っている「財政、経済、社会保障を同時に強くする」も、説明不足で聞いただけではよくわからないが、これまでの菅さんの発言をつなぐと非常に説得力がある。
それは、経済はなぜ成長するか、成長するにはどうしたらよいか、に関する通常の常識とは別の考え方である。
バブル崩壊後、公共事業を増やしてもダメだった。そして今、少なくとも内需についてはますます冷え込んでいる。
人は判で押したように「円高対策」、「景気対策」と言うが、これまでもダメだったし、今同じことをやっても同じことなのである。
これからは、経済のあり様を変えなければならない。
菅さんにはそのアイデアがある。しかし、それは一朝一夕にできることではない。しかも、周りはおそらく菅さんの慧眼に気づいてはいないし、既成の考え方にとらわれる人たちの抵抗は強い。さらに菅さんは政治的能力は小沢さんにかなり劣る。
期待できるとすれば、時代が必要とすることをなすことへの、見えない力の助けぐらいだろう。
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