12月4日の日曜日、三芳町文化会館コピスみよしで開かれた伝統芸能「竹間沢車人形」の公演を観に出かけました。私は実を言うと、そもそも芝居というものに理解がなく、しかも人形ということで、なんとなく退屈ではないかと思っていたのですが、あにはからんや、非常に素晴らしかった。
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車人形
黒い服を着た使い手が車のついた小さなイスに座り前に人よりやや小さめの人形を抱え糸で頭手足を動かします。席が遠かったので人形の細かい仕草は見えなかったのですが、体全体は大きく動き回ります。若松若太夫の説経節の語りは女の甲高い、裏声まで見事で、動きと語りがマッチして、「日高川入相花王恋闇路」のおどろおどろしい物語が真に迫りました。合間に流れる笛の音が哀愁を帯び、久々に心が遠くに飛んだ気がしました。楽しめる大衆演芸だと思います。
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竹間沢車人形「日高川入相花王恋闇路」の一場面
演じる保存会の皆様も躍動していました。車人形を蘇らせた立役者である前田益夫さんは87歳になるそうですが、出だしの三番叟を自ら演じ、最後の挨拶もお元気でした。