滑川町は国営森林公園があること、子育て支援で人口が増えていることなどはあるが、取り立てて名所とか特徴のない町と思われていたが、ホットスポットが浮上しつつある。比企尼(ひきのあま)の館(三門館)跡とみられる場所があり、来年のNHK大河ドラマに登場するのだ。比企尼は、源頼朝の乳母で、頼朝が伊豆に流され、旗揚げするまでの20年間支援し続けたことで知られる。それだけでなく、驚かされるのはその子供たちである。私は歴史の教養がないが、他にこれほど子孫に恵まれた母親はいるのだろうか。長女の丹後内侍は薩摩島津家の祖、島津忠久の母である。父は頼朝であるとの説もある。次女は河越氏に嫁ぎ娘郷姫は源義経の妻である。猶子(甥)の能員(よしかず)は頼朝の側近として仕えその娘若狭局は2代将軍頼家の妻である。絢爛たる比企一族であったが、「比企の乱」で北条氏に滅ぼされ、直系は途絶えたとされていた。ところが、比企尼の長男朝宗は生き残り、その子孫が800年にわたり家を守ってきていた。その家が滑川の三門館で、末裔にあたる方が、今回登場いただいた齊藤さんである。三門館は本来なら史跡となるべき場所だが、徳川幕府の政策で改姓を迫られ比企氏を名乗ることができず、歴史に埋もれた。それでも、祖先のことを伝承で伝えてきた。齊藤さんご姉妹は研究熱心な方で自ら歴史を調査もされ、著書も出されています。それにしても、なぜこのような辺鄙な所に館があり、そこから遠い伊豆まで支援し続けられたのか。比企地方の面白さもそこにありますが、今回の齊藤さんのお話で一番興味深かったのは比企尼は齊藤実盛の妹であったという伝承です。
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