三芳町の公民館で、全盲の弁護士、大胡田誠さんの講演会(「困難を抱えたすべての人へ」)を聴いた。大胡田さんは1977年生まれ、12歳で失明、盲学校を経て慶応大卒。5回目の挑戦で司法試験合格、2007年に弁護士登録、開業している。著書も複数あり、ドラマ化(「全盲の僕が弁護士になった理由」)もされ、障害者に関わる各種団体の役員をつとめるなど活躍をしている。私の関心はどうして目が見えずに司法試験を突破し弁護士業を開けるのかだった。一番は本人の能力だろう。講演は理路整然とし面白かった。それと、本人が挙げたのは、仲間との連携と道具だった。出かけたり面談にはやはりサポートが必要。ガイドヘルパーなどの協力とともに夫人(歌手の大石亜矢子さん)の助力も大きいと見受けられた。道具としては、判例を含む文章を点字翻訳する電子端末、スマホの読み上げ機能、かざすと色を知らせる装置などを例にあげた。先端のIT機器が大きな助けになっている。弁護士の情報障害の解決として電子機器がなじみやすい面はあるだろうが、他の世界でも障害者や高齢者の就業促進策としてテクノロジー活用の余地はかなりあると感じた。本講演の副演題は「『だから無理』より『じゃあどうする』の方が面白い」だった。知恵を出せば開けるということか。