東上線高坂駅近くの珈琲ばか。ユニークな店名の由来は、自家焙煎へのこだわりという。店内では、常時絵画や手作りの作品などをギャラリー展示、地域の文化発信の場にもなっている。店主の星野久美子さんにお聞きした。
1つにこだわって追及するという意味
-この店はいつ開いたのですか。
星野 30年近く前、夫(手描き友禅作家の星野総次郎氏)が始めました。私は途中(2000年)から入りました。
-「ばか」という名はどうして。
星野 最初はチェーン店で「ハーバー珈琲」という名でした。開いて数年でチェーンを抜けることになり、その時手伝いに入った息子が、「ばか」がいいと。(自家焙煎という)一つのことにこだわって追及するという気持ちを出したかったのです。私は当初は抵抗がありましたが、今はこの名前でよかったかなと。先日、牧師さんが「この名前に惹かれて来ました。自分のことをばかと言えるのは素晴らしい」と。
おすすめの「ばかブレ」
-自家焙煎が売りなのですか。
星野 自家焙煎は、奥が深いので。同じ豆を使っても焼き方で味が変わります。
-このお店の味の特徴は。
星野 豆の一番おいしいところを引き出すということに尽きます。ブレンドは残り豆を混ぜてサービス品として出すお店もありますが、ここのブレンド(「ばかブレ」)は、良質の豆を使い、それぞれの豆の良さを引き出し合う、おすすめとして出しています。
-食事も出される。
星野 最初は豆売りで始めたんですが、喫茶もやり、そのうち甘いものを食べたいという声が出てケーキを。そして学生さんなどはお腹がすくのでカレーとトーストも。
-カレーがおいしいですね。
星野 メニューを増やさずに味にこだわるようにしています。カレーは玉ねぎを飴色に炒めるところからきちんとやっています。
-お客さんは学生が多いのですか。
星野 今は主婦か中高年の方が多いです。学生さんは、東京電機大学、大東文化大学。こだわりのある人がくつろぎに通ってくれる。ここに来ると皆さん仲良くなります 。
画家西山晋氏の個展
-ギャラリーはいつも展示されているのですか。
星野 しょっちゅうです。写真、絵、陶芸、手作りの衣類、書道、いろいろです。去年までは毎日埋まっていました。今は、主人の作品とかも合間に置いています。
-武蔵野を描く西山晋先生の展覧会も。
星野 お近くにお住まいで、2012年にうちで個展を開いていただき、その後毎年秋に開いています。うちはプロの方の作品を並べるのはめったにないのですが、やはり違うなと思います。私も昔、ばくぜんと画廊をやりたいと思ったことがあり、実現できたんだなと。
(取材2017年11月)
珈琲ばか 東松山市元宿1-20-11
0493-34-3340
コメント