毛呂山町にある滝ノ入ローズガーデン。山あいに、オールドローズなど1500株のバラが咲き誇る。今年も5月18日から一般に開放される。このような自然景観に溶け込んだバラ園は他に例をみない。運営するのは、地域のボランティアの皆さんだ。バラ園の成り立ちなどについて、青木甫さんにお話をうかがった。
町の地域おこし事業で始まり、今はボランティアで運営
―運営されているグループは。
青木 「滝ノ入ローズガーデン」という名で、任意の団体です。
―どのように始まったのですか。
青木 平成12年に毛呂山町が、地域の有志に補助金を出すから町おこしをしてくださいと呼びかけたんです。そこでこの地域も手を挙げました。他はポピーとかコスモス、チューリップとか草花を咲かせてみてもらおうと最初5団体くらいあったのですが、4、5年で消えてうちだけ残りました。バラは植えると、次の年には必ずきれいな花が咲きますので、やめられなくなってしまって。
―ゼロから自分たちで作ったのですか。
青木 最初はまったく無一文ですから、全部補助金(年50万円上限)でまかなった。補助金は苗代、肥料代、資材代に充て他はボランティア活動なので作業賃金は払っていません。平成21年度に現在地に移転してからは、皆さまからいただいた入園料(300円)で運営しています。
―土地は。
青木 現面積は2762平米あり、休耕田をお借りしています。入園料から農家に地代はお支払いしています。
350品種、1500株のバラ
―バラの種類は。
青木 350品種、1500株です。私も覚えきれません。昔のイングリッシュガーデンにあるオールドローズが多く、つるバラもたくさんあります。
―設計はどなたが。
青木 NHKの「趣味の園芸」を担当していた故村田晴夫先生の指導を受けた斉藤よし江さんという方が素案を作ってくれました。その後も指導していただいています。斉藤さんは、町内で「ガーデンカフェグリーンローズ」を開いている方です。
―他に専門家は。
青木 いません。でも10年たったので、特に女性はバラの名前とか植え方をほぼ覚えました。男性は、通路を作ったり土木作業が主です。
―メンバーは
青木 今は25人くらい。女性が3分の2です。
―近所の方ですか。
青木 町外の人も8人くらいいます。
―どのくらいの頻度で活動されるのですか。
青木 月3日を作業日として2日の出動をお願いしています。草取りとかせん定です。他に月2回の薬散作業があります。
13000人が訪れる
―オープンは。
青木 5月中旬からほぼ2週間。今年は5月18日からです。
―秋も。
青木 今年は10下旬から予定しています。
―お客さんはどのくらい。
青木 通常は1万3000人くらいです。
―自然の中のバラ園は珍しいですね。
青木 普通は、庭園造りのバラ園で、きれいには作るが人工の形です。ここは自然の地形を利用したバラ園です。それと周囲の環境も、川が流れているし、緑が濃い。他のバラ庭園は都会に多く、ビルがあったり、屋根があったり、車の音が聞こえたり。ここはまったく自然の中にある。どこも真似ができないと思います。
―ボランティアは大変です。
青木 皆さんが本当によくやってくれます。多少収入があるので、賃金を払えばという意見もあるのですが、賃金を払うようになると人事管理が難しくなります。本当のボランティアの感覚で交通費しか払っていません。気軽に誰でも入ってこれる雰囲気の団体にしたい。
―青木さんはおいくつですか。
青木 74歳です。男性は高齢者が多いです。
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