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ユーモラスな人面石 秩父珍石館

「美川憲一」に「三木のり平」、「エルビス・プレスリー」・・・。あの顔にそっくりな石がある。秩父市上影森にある秩父珍石館は、ユーモラスな人面石を数多く集めた博物館だ。羽山芳子館長とご主人の羽山茂さんにお話をうかがった。

前館長が50年かけて収集


秩父珍石館

―ここはいつ開かれたのですか。

羽山 平成2年にオープンしました。

―どなたが集めたのですか。

羽山 父親の羽山正二前館長です。平成22年に90歳で亡くなりました。


羽山前館長 (秩父珍石館ホームページより)

―何年間くらいかけて集めたのでしょうか。

羽山 一生ですね。40歳頃から90歳まで50年。「石の上にも3年」と言いますが、50年です。

―羽山正二さんはお仕事は何を。

羽山 絹織物の仕事です。

―石は趣味だったのですね。

羽山 石が好きでした。

―どこで石を。

羽山 山と荒川水系の河原です。昔はあまり規制が厳しくなかったので、国有林など教材用ということで採取に許可が出たんです。

―人面石ばかりを集めたのですか。

羽山 最初は珍しい石ということで、顔という発想はなかったようです。途中から人面石になりました。

―こんなに面白い石を探すのが大変だったのでは。

羽山 そう簡単にあるものではないです。一日川に行って遊んでいても3個くらいしかないとか言っていました。

約700個を展示

―個数はどのくらいあるのですか。

羽山 展示してあるものは約700個です。

―加工をしているのではないですか。

羽山 よく言われるんですが、人面石に関して一切加工はしていません。

―これが最初の人面石ですか。

羽山 両神(現小鹿野町)の沢でとれたものです。目と口のところは貝の化石です。

―台座も作られているのですか。

羽山 人面石はただ置くだけでは、ころがってしまいますから、それぞれ台座を手づくりで作っています。

お客さんのネーミングも

―ネーミングがユーモラスですね。

羽山 名前は父がつけたものもありますが、お客さんが考えて書いてくれたものもあります。2つ名前を持っているものもあります。「三木のり平」は若い世代は「チョコボール」です。

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外国人のお客も

―どんなお客さんが多いですか。

羽山 最近4,5年は若い方が多いです。ネットが普及して、外国の方もスマホを持って直接来られます。2年ほど前にネット上で英語で紹介されたら、フランスの映像作家の方が、顔の石の博物館は世界でここだけだと、取材に来られました。

これ(「ライオンキング」)も、最初は「アバター」の名で、かぶっていなかったのですが、英国のBBC放送が来て、「ライオンキング」に似ているということでタテガミをつけました。海外から送ってもらった石もいくつかあります。

維持するのは大変だが

―維持していくのが大変ですね。

羽山 少し料金をいただいても経費がかかります。(前館長が亡くなり)どうしょうかと思いましたが、お客さんが来られるし、海外からも申し入れもありますので。隣で寿司屋をやっていたんですが、お店は3年前に閉じました。

(取材2019年9月)

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