メンタルヘルスの問題、高齢者や子育てママの就業など、就業をめぐり様々な問題が山積、仕事の悩みにアドバイスを与え解決する役割が求められている。そうした役割を担う国家資格の専門職がキャリアコンサルタントだ。志木市の一般社団法人地域連携プラットフォームは、「キャリアコンサルタント養成講習」を開く。同講習は少人数で、費用をも低く抑えてあるのが特徴で、受講すると、実務経験なしで国家試験を受験できる。志木サテライトオフィスビジネスセンター社長で、地域連携プラットフォーム代表の柴田郁夫さんにお話をうかがった。
ハローワークの窓口担当、学校の就職支援も
―キャリアコンサルタントとは。
柴田 仕事の悩みを解決する専門職と言っています。くだいて言うと、働くことを通じて幸せになれるように支援する職能です。キャリアコンサルタントと言ったり、キャリアカウンセラーと言ったりすることもあります。
―どのような手法で。
柴田 その方と一対一でお話をして、「何で働いているんですか」から始まり、いろいろ聞いていきながら、悩みの解決につなげるわけです。
―企業の人事担当者の仕事でしょうか。
柴田 最初は企業の人事担当の人が試験を受けていました。今はフリーの人、特に女性が増えています。
―どのような場で仕事をすることになるのですか。
柴田 一番典型的なのはハローワークの窓口に勤める人、他は学校の就職支援室、職業訓練校、障害者の就業支援をしている人、あるいは自治体の若者サポートステーションというところなどに就職しています。
講習で実務経験が免除
―国家資格ですか。
柴田 国家資格です。
―試験の倍率は。
柴田 だいたい半分くらい。
―現在の資格者は。
柴田 5万人弱です。国家資格になったのは2年前なんですが、その前に民間の資格でやってきた人も国家資格を与えられました。
―講習はどのような位置づけですか。
柴田 試験に受かるための勉強もやりますが、試験を受けるには実務経験3年以上という縛りがあります。大臣が認定した指定講習を受けると実務経験3年が免除になります。だから国家資格を早く取りたい方は講習を受けて、すぐに試験を受けられます。
―この仕事の社会的ニーズが高まっているということでしょうか。
柴田 国としては、資格者数を2,3年で倍増、10万人にする目標をかかげています。雇用者のメンタルヘルスの問題への対処、その事前予防的な観点もありますし、健常の人でもシニア層、女性がどう働くかなど課題が増えています。
講習料24万円で割安
―今回開催される講習はいつからですか。
柴田 9月1日から土曜ごとに、9時から6時40分まで、10週です。
すでに今年の6月から第1回目を開き、今回第2回目になります。
―費用が安いのですか。
柴田 うちは受講料27万円+税ですが、今回税込み24万円まで下げています。相場は30~40万円ほどです。
―行政補助は出ているのですか。
柴田 出ていないです。
―こちらの講習の特徴は。
柴田 会場は駅前立地で講師陣も一流ですが、一番の特徴は手作りです。他は20~30人とかの講習ですが、うちは第1回目は4名でした。人数が少ない方がよいのです。試験は学科試験50問(4択)と実技試験(面接・論述)から成り、面接は15分間のロールプレイをやらされる。その練習は人数が多いとうまくできません。
心理カウンセラー
―どういう人に来てほしい。
柴田 専門職として勤めたいと思っている人。それから独立・開業を志す人。講師になったり、心理カウンセラーとして独立する方もいます。心理カウンセラーは国家資格ではなく、心理学系のカウンセラーと名乗れる唯一の国家資格なんです。
―地域連携プラットフォームとは。
柴田 公的な顔を持つ組織です。志木市や商工会と一緒に創業スクールをやってきて、今回も創業スクールがちょうど始まるところです。
志木サテライトオフィスビジネスセンター
柴田さん
キャリアコンサルタント養成講習ホームページ
(取材2018年7月)
柴田さんは、2020年10月、『国家資格キャリアコンサルタントになるには』(秀和システム)という本を出されました。資格がどういう仕事に生かせるかまで含め、実践的にわかりやすく説明されています。前年には、『国家資格キャリアコンサルタント学科試験要点テキスト一問一答問題集』(秀和システム)も出版しています。
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