血の巡りをよくし、ストレスを発散
一昨年まで富士見市議を務めた田和江さんは、70歳を過ぎた今も水泳を続ける。週5日のハードな練習だ。マスターズ水泳大会に参加、また先日はグァムのレースで入賞した。水泳は、血の巡りをよくし、ストレスを発散する効果がある、という。
(本記事は、2019年6月22日、健康法勉強会における吉田さんのお話をまとめたものです)
<経歴 富士見市議を2期>
私は1947年、群馬県の養蚕農家に生まれました。仕事は、子育てが終わってから10数年の間旧文部省(現文部科学省)の非常勤職員として学術雑誌の総合目録の編纂作業をしていました。
富士見市のマンション「アイムふじみ野」に住むようになり、町会長、民生委員、1100世帯の管理組合の理事長などを務めました。その間、2009年に富士見市議に当選し、2期8年の間議員として活動しました。現在は、富士見市の自民党婦人部長を務めています。
<水泳を始めたきっかけ>
年と共に体重が増え、50代の頃には若い時から比べ10キロくらい太ってしまいました。通勤電車の中で、疲れたり、足が重くなったり感じるようになり、何とかしなければと思っていたところ、たまたま近くにスイミングスクールがあり、主人と2人で夜8時からのプログラムに行きましたら、意外と泳げたのです。昔は川とか沼、かんがい用水で結構泳いだ記憶があり、感覚が戻ってきたのだと思います。1カ月たつかたたないかの頃、今まで重くてだるかった全身が軽くなり、電車のつり革につかまると背筋がぐっと伸びている。これは水泳効果だろうと感じました。
<現在 週5日 1回2時間2~3キロ泳ぐ>
その後、クラブをふじみ野駅前の「プレオンふじみ野」に変え、ぼちぼち泳いでいましたが、本格的に始めたのは議員をやめてからです。議員となると、5時前にプールで泳ぐわけにはいきません。議員を辞めてから本格的に取り組み、今はコーチレッスンの他、自主練習を入れています。火曜と日曜を除く週5日、1回2時間、毎日4泳法をキック、プル(かき)、スイムと3本柱で、プラスレッスンで2000m以上泳ぎます。プレオンのレッスンは素晴らしく、実績につながっているところもあり、コーチに感謝です。
<マスターズの大会出場 上位ランク目指す>
私は水泳の競技団体である日本マスターズ水泳協会に登録しています。6月16日には、CMC(千葉マスターズチャンピオンシップ)があり、ここで200mのフリーで自己ベストが出ました。非常に今気分をよくしています。日頃の努力の成果が出ると人間はげんきんなもので、日常生活すべてで気分がよくなります。
日本マスターズ水泳協会は、年間の50傑ランキングを出しており、私は試合に出たら50番以内に入るようにと思って研さんを積んでいます。出場した種目は、一桁は無理ですが、20番台、30番台くらいまでが目標で、今までで一番よいのは長水路の100mで1分34秒、17番でした。これは私の快挙です。
<グァムの大会 熱帯魚がきれい>
5月26日にはグァムでオープンウォータースイミングがあり、3キロ泳ぎ、年齢別(66歳以上)ですが2位をもらって満足しています。1時間23分ちょっとのタイムです。
海外の大会に出たのは初めてです。今回の感想として、体はきつかったです。グァムですから時差は1時間ですが、当日は3時起きなんです。4時出発でバスでココス島に一番近い港に行き船に乗り、ココス島を7時スタートです。泳ぐのは、何でもないです。大きな波はなく、深さは2mくらい。底が見えてヒトデとかナマコ、熱帯魚がきれいで、気分よく泳げます。ただ、潮の流れがあり、常に目標を見ていないとすぐずれるんです。300人くらい出場したと思いますが、沖に出ると周りに誰もいなくなります。非常に孤独です。海草が丈夫で、ぶつかるととても痛いです。今回の参加者は韓国人が多かったです。
グァムの大会で
<あと10年は続けたい>
マスターズは全部年齢別になっており、女子の最高齢は100歳代です。ある大会での様子です。客席で番まで寝ているおばあちゃんがいて、付き添いがついてプールサイドへ行き、スタートするとちゃんと50mを泳ぎ切ります。私は、そこまでは無理と思います。一人で会場に行き、スタート台に立てる時までですね。あと10年いけるかなと。
普段、家で生活していると緊張とかありませんが、大会に出ますと、スタート台に立ちヨーイドン(「テイクユアマーク」)でスタートするのは緊張感もたっぷり。今後もできる限り続けていければと思っています。
<水泳の効果 検診の結果AとB>
あくまで私の感想ですが、全身運動ですし、浮力を使うので楽に体を動かせるし、血の巡りは非常によくなったのではないでしょうか。一昨年くらいからの市の健康診断で全項目がAとBになりました。これで非常に気をよくしております。主治医によりますと私は肺機能がとてもいいんだそうです。それで、プールも大会を目指すとか厳しい自主練習も耐えられるのかなと思います。親に感謝です。
でもバンバンに泳がなくても健康には非常によいのではないかと思います。心の方も、地上にいるときはいろいろ考えますが、水に入り泳ぎ始めると、無心になれるといいますか、ストレス発散にもつながり、とてもいいのではないかという思いはございます。
健康効果についてはプール抜群、水泳抜群。みなさんもどうぞ。何と言っても健康寿命を保つのが、私ども年寄りの責任でもあります。介護保険のお世話になりますと、負担が国、自治体ともに大きく、なるべくならお世話にならないのがよいのではないでしょうか。そのためにも水泳を続けていきたいと思います。
<日常生活、箏の舞台も刺激に>
私の場合、火曜がプールの定休日で、日曜は家族もありますので、週5日間はプール通い。午前はうちにおり、午後はプールという日常です。泳ぎを中心に回しています。
朝は年をとると睡眠が少なくなり、5時半になると平気で目が覚めてしまいます。起きますと、朝読書と新聞だけはご飯前に済ませます。午前中は基本在宅にしています。私はプールと並んで、お箏と三味線を若い頃から続けています。おけいこごとは発表会がつきもので、今年に関しては9月に演奏会が控えており、その勉強を続けています。市の文化祭や新春邦楽というのもあり、年4~5回舞台を踏みます。それもやはり、プールと並んで、緊張感があり、体と脳も使いますので、元気の源かなと※。
食事は、朝はコーヒー、キャベツ、トマト、バナナ。動物性は卵かチーズ、ヨーグルトかウインナか生ハムの一品。お昼は11時半になるとごはんをばっちり食べます。夜も食べます。量は子どもたちもびっくりするくらい食べます。基本は肉好きです。野菜は、朝のキャベツだけは年間欠かしたことはありません。
<思うがままに生きる>
心の方は、ある程度くよくよしたら、成り行き任せが多いです。心の中は誰にものぞかれないので、自由でいいのではないかと、非常にマイペースでおります。しかし何かやる時は本気で取り組みます。水泳でも「よく疲れないですね」と言われますが、ガンガンに本気でやらないと満足できないところがあります。大会とか舞台で年に何回か緊張と刺激をもらっているということかもしれません。
50代の頃、4人の友人で紫式部が源氏物語を書いた石山寺に行った時のこと、ふつうのご婦人に全員名前と生年月日を聞かれた。私については「あんたは思うように生きる人だね」と言われたんですが、本当に思うように生きています。あのご婦人が言ったことが当たっていたんではないかと思っています。このライフスタイルでずっといけるところまでいこうかな。
※お箏については、その音色が健康にもよいという説があります。放送大学の仁科エミ・河合徳枝先生は、以下のように述べています。
「日本及び世界の伝統音楽の中には洋楽器にはほとんど認められない超高周波成分を備えているという特殊性があります。これら、可聴域上限を超える高周波成分は可聴域成分と共存することにより基幹脳ネットワークを活性化し、それを反映して脳深部の血流を増大させ、脳波α波を増強し、可聴域の音をより美しく興趣豊かに感受させる心理的効果を持つことも明らかになっております。
脳機能解析の研究が進んだ近年、日本の伝統音楽の音は、人の感性能をとりわけ効率的かつ高度に活性化させ、芸術的感興を高めるとともに、心身の状態を改善・向上に導きうることが知られるようになってきております」(『音楽・情報・脳』(放送大学大学院教材))
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