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神秘の鳥 烏骨鶏 
卵はビタミンの宝庫

県内最大規模で飼育 烏骨鶏王国 アライふぁーむ

 
 烏骨鶏は、中国では古くから漢方の薬膳料理の食材に使われ、卵も栄養価が高い。秩父市の新井義信さんは、埼玉県では最大規模の烏骨鶏飼育場「烏骨鶏王国 アライふぁーむ」を経営、卵や卵を用いた健康食品を販売している。世の健康志向で、烏骨鶏人気は高まっているという。

                 


羽は白、地肌は濃い紫


―烏骨鶏はどういう鳥ですか。

新井 ニワトリの一種。成鳥の体重は1㎏前後です。羽の色は白か黒ですが、ふつうは白が一般的で、うちも白色の鳥を飼育しています。羽は白ですが、鳥の羽を分けると、地肌は黒、正確には濃い紫です。カラスに似ているから、烏骨鶏の名がついたとされています。

―元々日本の鳥ではない。

新井 中国やインドの山間部が原産と言われています。日本には江戸時代の初期に入り、ひろまってきたようです。

―どのような目的で飼われたのですか。

新井 日本では、初めは愛玩、観賞用です。ふつうのニワトリと違い、錦糸状というか細かい羽が美しいためです。中国では、古くから健康維持のための食材として、他の鳥とは1ランクも2ランクも上に格付けされ、珍重されてきました。

―どのような料理。

新井 漢方の薬膳料理で、肉は主にスープものが多いようです。肉自体は少ないので。

―肉はどんな味ですか。

新井 ふつうの鶏肉と比べ油が少なく、たんぱくで、おいしいです。キジの肉に近い。

―卵は、ふつうの卵と違うのですか。

新井 ビタミンの含有量が桁違いです。「食事が食べられなくなったら烏骨鶏の卵を食べなさい」と言うくらい。うちにもお医者さんから勧められたというお客さんがかなりいます。烏骨鶏の卵は、食用というより、健康志向の方が食べられる卵ですね。


自宅敷地で600700羽を飼育

―新井さんは烏骨鶏を自宅で飼育されているのですか。

新井 そうです。自宅の敷地で初めは4、5羽くらい飼い初めたのが、だんだん増えてきました。

―いつから。

新井 20年くらい前からです。

 

―きっかけは。

新井 私の親は秩父織物の型紙屋でしたが、昔ニワトリを飼っていました。その頃食べた卵と比べて、自分が大きくなってスーパーで買う卵が生臭く、食べられなかった。おいしい卵ということで、烏骨鶏を調べて、飼い始めました。

―本業は製版業だったのですか。

新井 今もやっており、会社(秩父製版所)は製版所の会社名のままです。

―今、何羽飼っているのですか。

新井 今は600から700羽くらいです。

―販売は何を。

新井 卵だけと、それを使った健康食品をいろいろ製造しています。

―健康食品はどのような。

新井 卵酢、卵油、卵黄と卵油とニンニクを混ぜた卵黄油、ニンニク卵黄など。

―肉は。

新井 肉は扱っていません。肉は免許がいりますし、設備もかかります。あと、自分で育てた鳥を殺すのはしのびないこともあります。

―販売はネットですか。

新井 ネットが9割、他は直接来られるお客さんです。

―卵はおいくらですか。

新井 税別で1個300円で出しています。

放し飼いで、卵は年50個だけ


―雛はどうされるのですか。

新井 業者から生まれたてのヒヨコを送ってもらい、うちで育てます。


 

―烏骨鶏はどのくらい生きるのですか。

新井 7~10年といわれますが、よくわかりません。

―鶏舎を作っているのですか。

新井 うちは原則、放し飼いです。



    幼鳥

 

―飼育の難しさは。

新井 基本は餌と水くれです。大変なのは卵を産んでくれないことです。

―卵の数が少ないのですか。

新井 うちのように放し飼いにしておくと、1羽が年50個くらいしか産まないです。ふつうのニワトリは300とか320とか産むようですが。烏骨鶏は、人間の手が加わっていない自然のままなので、スズメやカラスと同じように、繁殖期に生んで温めて子育てして、その間は産まないわけです。

―オスもいるのですか。

新井 卵をとるだけならメスだけでもよいのですが、うちは両方飼っています。有精卵です。動物はペアでいた方がストレスがなく、よい卵を産みます。ただ、オスはうるさいです。3時くらいから鳴き始めます。

―カラスとか敵がいますが、対策は。

新井 カラス、トンビ、猫、タヌキもいます。ネットをかけて防いでいますが。

600羽も飼っているところが他にあるのですか。

新井 県内では他にいないですかね。烏骨鶏は大型の養鶏場は手を出しません。繁殖力が弱く、卵の数が少ないので採算が取れません。

―全国的には大きなところがあるのですか。

新井 全国でもうちより大きいのは、何軒かです。

―家族で運営しているのですか。

新井 鳥の世話は主に私がやって、家内が出荷を担当しています。

20年も続いてきたのは。

新井 お客さんのおかげです。注文に合わせて鳥も徐々に増やしてきたのもよかったのかもしれません。だいたいいつも予約でいっぱいです。

―客さんの声は。

新井 卵のおいしさに驚かれる方、卵を食べたら体の調子がよくなったというお客さんは多いです。血圧とか血流の数値がよくなったという方もいます。

―食べ方は。

新井 すすめているのは、生卵をご飯にかけて。熱を加えると栄養価が落ちるということがあります。目玉焼きでも黄身はあまり熱を通さない方がよいです。


烏骨鶏をペットに


―鳥自体を購入される人もいるのですか。

新井 家庭での養鶏やペットとして飼いたいというお客さんもいます。

―1羽でも卵を産むのですか。

新井 産みます。無精卵ですが。

―ペットとは。どのように飼うのですか。

新井 鳥小屋を置いて。遊ぶ時は外に出して。膝の上にも乗るし、お風呂も一緒に入る、散歩に行くときは後ろにまとわりついて一緒に歩くという人もいます。ふつうの犬猫と一緒です。

―値段は

新井 大きさによってですが、よく出るのは2ヶ月で2700円からです。


―烏骨鶏の人気は近年どうですか。

新井 健康志向の高まりで注目度も上がってきています。1個300円で安くはないですが。

―新井さんのお年は。

新井 62歳になります。

―今後の目標は。

新井 無理をしないで、現状維持でいければよいと思っています。


                     

                                                      新井さん

 (取材 2016年9月)


写真は一部アライふぁーむホームページから拝借しました。http://ukokkei.com/