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不安、ストレスを緩和する
 エゾウコギ

 
 健康食品、サプリメントの1つにエゾウコギがある。あまり知られていないが、朝鮮人参と同じウコギ科の植物で、滋養強壮の他、不安やストレスを緩和するなど精神的な作用が期待できる。ストレス満載の現代社会で、ひそかに注目を浴びつつある。

 
                

                  エゾウコギの根 (サン・クロレラホームページより)

シベリア、中国東北部、北海道で自生

 エゾウコギ(刺五加、シベリアニンジン)は。朝鮮人参と同じウコギ科の植物で、高さが2、3メートル、直立した幹を持つ落葉灌木だ。ロシアの東シベリアから中国東北部、日本では北海道の一部に自生している。幹・枝には、斜め下向きの細かい棘が密集している。見た目が悪く、棘が多いことから「悪魔の木」と称され、北海道では、鳥も枝にとまれないことから、「トリトマラズ」、「ヘビノボラズ」とも呼ばれていたという。

 なお、漢方生薬として使われ、日本でも生垣や庭木にされるウコギは、同じウコギ科だがヒメウコギでエゾウコギとは別の種である。

 エゾウコギは、北方民族の間では古くから薬効が知られ、「民族の秘薬」として伝承されてきた。中国(「刺五加」の名で呼ばれる)の薬学書「本草綱目」には、「ひとつかみの五加があれば車いっぱいの黄金も不要」と記されている。日本でも、アイヌは薬草として利用してきた。しかし、朝鮮人参に比べ、一般に使用が広がらず、限られた人々の間にしか伝わっていなかった。


ロシアのオリンピック選手が使用

 ところが、1960年代にソビエトの科学アカデミーがシベリアの植物調査の際に、その存在を再発見、驚くべき効用が明らかにされた。1980年には、英国の老人医学の権威、ステフマン・フルダー氏が論文「ロシア人を強くする薬」の中で、ロシアのオリンピック選手や宇宙飛行士がエゾウコギを摂取し、能力向上やストレス除去に効果をあげていることを指摘、「金メダルの裏にエゾウコギあり」として話題になった。ソビエト国内で民間薬として普及、欧米にも輸出されるようになり、中国や日本でも価値が再認識されるに至った。今では、中国、ロシア、日本を中心に、エゾウコギの根や茎のエキスを用いた様々な健康食品、薬品(中国、ロシアでは薬品として使用)が製造、販売されている。

                         

                          エゾウコギサプリメント (ロシア製)

鎮静作用を持つイソフラキシジン

 エゾウコギには、イソフラキシジン、エレウテロサイドE、エレウテロサイドB、エレウテロサイドB1など7種の配糖体、ビタミン(カロチン、ビタミンB1・B2、ビタミンC)、ミネラルなどの成分が含まれている。

 このうちイソフラキシジンは、エゾウコギに特有な成分で、血管拡張や抗けいれん、鎮静作用がある。エレウテロサイドEは、ストレスによる性機能の低下防止や記憶力回復を高める働きのあるリグナン化合物。エレウテロサイドBは、抗ストレス、疲労回復作用を持つ(『エゾウコギの超力』西部三省・郄鳳卿著、毎日新聞社による)。

 エゾウコギは古くから滋養強壮剤として伝わってきたが、現代では広く健康増進、疲労回復、体力・精力の増強剤として製品化されている。現代中国では、エゾウコギの薬理作用を研究、脳動脈硬化、脳血栓、脳欠血、冠心病などに効果があることがわかったという。

 朝鮮人参が、滋養強壮が主たる効果であるのに対し、エゾウコギは精神面への働きかけが期待できるという特徴がある。

 エゾウコギ製品を製造・販売しているサン・クロレラの研究レポート(同社研究サイト)によると、エゾウコギには恐怖・不安ストレスに対処する能力を高める作用があったり(「エゾウコギの自律神経調節による抗不安作用」日本薬学会第135年会2015発表)、睡眠の質が改善される(「エゾウコギ食品の睡眠改善効果」=「機能性食品と薬理栄養」Vol8 no4)ことが示唆されるという。

サン・クロレラ販売担当者に聞く

 エゾウコギ製品を販売するサン・クロレラ販売東京支店の内田一男支店長と佐藤圭課長にお話をうかがった。

―健康食品としては同じウコギ科の高麗人参が有名ですが、エゾウコギとはどう違いますか。 「たしかに、高麗人参も同じウコギ科の植物です。どちらも古くから珍重されてきましたが、有用成分が少し違います。高麗人参は、サポニンが主です。イソフラキシンは高麗人参のサポニンと比較されるエゾウコギの特有な成分です」

―貴社ではいつから扱うようになったのですか。

 「1984年頃からです。創業者の中山秀雄が、元々北海道の出身ですが、地元では、エゾウコギを焼酎漬けにしたり、葉っぱをお茶にしたり、昔から体によいと言われていたらしいです。現在、弊社では、クロレラ、エゾウコギ、アガリクスを3つの柱として製品を出しています」

―どのような製品ですか

「根のエキスの他、粒状剤もあります」

―販売はどのように。

 「直販(営業所、訪販)とネット販売です」

―消費者の反応はどうですか。

「健康志向の高まりとストレス社会で、エゾウコギへの関心はジワジワと浸透してきています」

(本記事執筆に際し、『エゾウコギの超力』(西部三省・郄鳳卿著、毎日新聞社)、『エゾウコギ 成人病の悩みはこれで解決』(久郷晴彦・近藤嘉和著、ぱる出版)、『エゾウコギ(エレウテロコック)の驚くべき効用』(エゾウコギ効用研究会、人間の科学社)、(株)サン・クロレラのホームページなどを参考にしました)