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情熱の太田ホルモン
(小川町)
やみつきの甘辛ダレ

夕暮れになるとひっそりとする小川町の駅前通り。一軒だけ赤提灯が煌々と輝き、熱気に包まれた店がある。知る人ぞ知るヤキトリの名店、太田ホルモンだ。店主の太田末吉さんに聞いた。

     
 
  

―このお店はいつからですか。

太田 自分が働いて39年です。その前は、50年前から親父が屋台を引いていました。道に横断歩道を作るというので屋台が置けなくなり、店舗を作ったんです。

―太田さんのお年は。

太田 自分は今58です(2010年当時)。

豚肉のカシラを使うヤキトリの元祖

―元々ヤキトリですか

太田 元々豚のカシラとか内臓肉が多かった。それに加えて自分が鶏肉入れたり、いろいろ増やしてきた。

―豚肉のカシラを使うヤキトリは、このあたりの特徴ですね。伝統的にあったんでしょうか。

太田 どうでしょうか。なかったんではないですか。うちの親父が考えたのだと思います。とにかく子どもたちを食わしていくために。

―今、ヤキトリは東松山が有名になっています。

太田 東松山と同じような豚のヤキトリなんですが、親父が東松山の店にも2,3軒教えていますから、うちが元祖と言ってもよいかもしれませんね。

 

豚の大腸をキャベツといためたホルモン焼

―人気のメニューは。

太田 カシラの他、ホルモン焼き、野菜いため、あとにんにく醤油やきそば、焼き飯というのもあります。

 
    ホルモン焼き                   焼き飯

―ホルモン焼きとは、ヤキトリではない。

太田 ホルモン焼きというと普通は網焼きのような形が多いと思いますが、うちがやっているのは、豚の大腸をキャベツといためたもの。甘辛のたれで独自の味付けです。

―焼き飯とはチャーハンですか。

太田 みそを入れた、独特の甘辛の焼き飯なんです。あるとき、アルバイトのあんちゃんなどに食べさせたら、お客さんがおれにも食わせてくれと言うんで。この焼き飯を始めてからお店が忙しくなったような気がします。

―メニューが面白いですね。

太田 東松山はヤキトリが専門ですが、うちはご飯も食べられるから最近では女の人もずいぶん多いです。それと、うちは食べ物の一品一品の量が多いかもしれないですね。安くてボリュームがあるわけです。だから、一人で2つ以上は食べられないよって自分はよく言うんです。

 

独特の甘辛いタレ

―たれが辛いですね。

太田 甘辛いんです。東松山はみそだれですが、うちのは醤油も混ぜていますが独特の甘辛い味つけですね。今、温泉(花和楽の湯)でもうちのたれをおみやげで売っていますが、ナンバーワンなんです。

―それもお店が繁盛しているからですね。

太田 やはり30年以上やって、多少知れ渡ってきたんじゃないでしょうか。親父がやってきたのが今になって実をもってきたのではないかな。

お客さんの舌も肥えてきて、「あそこがうまい」とか「ここはうまくない」とか、「これはやばいな」とか、「やばい」はうまいということです。

―このお店は何人は入れるのですか。

太田 45人くらいは。週末はあふれんばかりですね。席順をうまく組み合わせないといけないので、「お2人さん、悪いけどカウンターにしてください」とか。

―遠くからのお客さんも。

太田 小川でないお客さんも見えるようになりました。駅に近いから、7、8時ごろ来て、10時過ぎの電車で帰るとか。予約もあります。

 

通りはさびれる

―ただ、通りはさびれてきています。

太田 ぜんぜんですね。(開いているのは)「ここだけじゃないか」と言われることがあります。どういうことなんでしょうか。どうしたらいいんですかね。田舎の商売というのは、お客さんと一言話するとか誰とでも仲良くしたいね。

   

―空手をやっていらっしゃる。

太田 40代になってから始めました。極真館の2段です。

―店内で阪神戦をいつも流している。

太田 息子が大好きで。スカパーで中継しています。うちは阪神でお客さんは巨人。

―息子さんは跡継ぎですか。

太田 継いでくれるようです。

―ヤキトリについて。

太田 決して安いものではない。前菜ですね。手軽に食べられるし、とにかくうまい。すたれないと思います。私は生ものだめなので、うちも刺身類は置いていないんです。

 

(本記事は「東上沿線物語」30号=2010年7・8月に掲載したものです)

 
 
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