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肉にはりがあり、臭みのない地鶏 タマシャモ
おじま自然農園(坂戸市)

 タマシャモは、埼玉県で生産される地鶏だが、普及が遅れ、実際に目にしたり、食べたりする機会は少なかった。そのタマシャモを、坂戸市の中国料理店を経営する農家が飼育し、製品化、販売を伸ばしている。おじま自然農園の尾島一正さんにお話をうかがった。

廃鶏のリニューアルから始める

―尾島さんは、元々、中華のお店をされていたのですか。

尾島 農家の長男坊でしたが、土地があまりなく、それで一度都内に出てコックの修行をして、こちらに戻り25の時、中国料理の店(「穂久柳」=ほくりゅう)を始めました。

 

―今、お年は。

尾島 昭和31年生まれです。

―鳥を扱うようになったのはどうしてですか。

尾島 今から20年くらい前でしょうか、鳥を飼い始めました。最初は、廃鶏を扱いました。廃鶏とは、鶏は1年ほどたつと産卵率が落ちます。人間で言えば30歳代半ばくらいですが、鶏は用済みなり、廃鶏として処理してしまうんです。それをリニューアルしてみたらどうなるかと思い、放して飼ってみたら、ボロボロの鶏が、100羽のうち90羽はすごく後光がさすようないい鶏になりました。それがきっかけです。だったらもっと高品質の鳥を飼ってみようとおもったら、埼玉に地鶏がいるというので。

―それが、タマシャモだったわけですね。

                                             

尾島 タマシャモは、埼玉県が開発した地鶏の品種です。その頃は、県はタマシャモはモノにならないからやめちゃおうかという流れでした。生産者もいない。私ともう一人、今深谷でやっている人が県に行って、始めました。

 

屋外での放し飼い、180

―まったく独力で飼い始めたのですか。

尾島 最初は知識がないですから。うちは農家は農家でしたが、養鶏の経験はありませんでした。

―飼育は、どのように。

尾島 ヒナは、県が生産して供給されます。飼育法は、3種類あり、一つはゲージ飼い。地鶏はゲージで飼ったらJIS規格に合いません。もう一つは平飼いと言い、小屋の中で放し飼いにする。他の一つは、屋外での完全放し飼い。うちの場合は3番目の屋外飼育です。すると雨にも風にもあたるので、鳥の臭みがなくなっちゃうんです。鳥の臭みはあるのが当たり前と思われていますが、違います、うちの鳥は抱いても全然匂いません。

    

―飼育にはどのくらいの時間が。

尾島 普通のブロイラーは50日から60日です。うちは最低160日からで180日を基準にしています。こんなに長く飼育している地鶏は全国でも珍しいと思います。

―今はどのくらいの規模で。

尾島 2週間に1回、ヒナが400羽入ってきます。それが半年続きます。全部は育ちませんが、常時2000羽くらいいます。田んぼの2㌶ほどは鶏の餌を生産しています。

―これだけの規模で生産している方は他に。

尾島 深谷でされている方も同じくらいの規模です。私は今は、埼玉県の地鶏の組合の会長をさせてもらっています。

 

弁当「しゃもめし」、コンテストで受賞

―タマシャモは全部肉にするのですか。

尾島 川越の処理業者で処理し、全部肉にします。

―製品は。

尾島 ほとんどすべてうちで使います。中国料理店の食材にしますし、他に弁当(「しゃもめし」)、肉をパックした「タマシャモ物語」。イベントで使う時は一度に100羽を使ったりします。

         

―店ではどう調理するのですか。

尾島 刺身から焼き、鍋、親子丼、チャーハン、ラーメン、いろいろなものができます。

―弁当や肉はどこで販売を。

尾島 うちの店から全国に発送しますし、今年からJA(農協)の売店で扱ってくれるようになりました。あとは浦和競馬場の本場開催時に売店を出しています。

―イベントは。

尾島 デパートが多いです。先日は東京の日本橋高島屋がリニューアルオープンした時、地鶏まつりのイベントで、うちから30羽行っています。1001000円とか1200円の恐ろしい値段で売っているのではないでしょうか。

―賞をとったのですか。

尾島 「しゃもめし」が、全国スーパーマーケット協会のコンテストの弁当の部門で優秀賞をいただきました。

 

値段は高いが味は逸品

―タマシャモの売りはどう言ったらよいですか。

尾島 要するに、臭みがなく、肉にはりがあり、味があります。

―少しかたいでしょうか。

尾島 かたいと言えばかたいです。半年も飼育していればそうなります。しかし、やわらかく作れば、味が落ちます。

―これまであまり普及しなかったのは、どうしてですか。

尾島 やはり値段でしょう。それと、肉の特徴、調理法を把握していなかったこともあります。

―高くなるのは。

尾島 半年も飼育していますから。餌代だけでもかかります。素人に売るには、安くて、柔らかい肉質の普通の銘柄鳥の方がよいのですが、我々は元々、都内をターゲットにして、とびぬけたものを作ろうという戦略で、来ました。横一線では後発では勝ち目がないと。とんでもない値段だから庶民には手が出にくいと思います。

 

かなり広がりつつある

―それでもいけそうな感触があったわけですね。

尾島 当初ネットで全国に販売して、いろいろな情報をとったら、1羽40005000円で売ったのですが、関西方面からよい評価が得られました。これはゆくゆくはよくなると思いました。県はデータをもっていなかったのですが、タマシャモ研究会が発展して普及協議会(彩の国地鶏タマシャモ普及協議会)が発足し、本腰を入れようとしています。

―普及が広がりつつあるということですね。

尾島 かなり広がっています。2月、3月にも都内のデパートからイベントのお誘いがあります。

 

―ここまで来るのは大変でしたか。

尾島 大変ですよ。最初は鼻にもかけてくれませんでした。中華料理屋がなんで鳥を飼うの。成功するわけない、馬鹿じゃないのと、さんざん言われました。でもやり始めたら、自分で肉質を評価できるし、お客さんの反応も見られる。生産者だけでは売るのに困ってしまいますが、うちは最初からユーザーですから出口があったのは幸いでした。              

おじま自然農園ホームぺージ             (取材20191月)