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障害者就業を考える


 入所型の「かしの木ケアセンター」
就労支援「のびる作業所」
グループホーム
多様な施設で障害者を支援するめぐみ会
(三芳町)
 三芳町にある障害者支援施設「かしの木ケアセンター」(めぐみ会運営)は、入所・生活介護施設の他に、就労支援施設、グループホームなど多様な施設を展開している。地域の障害者支援を担う施設のあらましについて、田中利夫理事長と鈴木市郎事務長にお聞きした。

―この施設は、どういう経緯で作られたのですか。

田中 元々は谷崎愛子前理事長の母親の森田貞子さん(初代理事長)が、地主さんで、社会貢献事業として平成10年に開設しました。最初は身体障害者の療護施設の形態でした。

―めぐみ会とは。

田中 施設を運営する社会福祉法人です。

―田中さんはいつから理事長に。

田中 2013年6月に就任しました。

 

入所者以外に通所、短期入所者も入れ合計70

―障害者関連のいろいろな施設を運営されていますね。

田中 今は本体の入所型の支援施設「かしの木ケアセンター」と就労支援・多機能型作業所「のびる作業所」、相談支援センター「かしの木」、地域活動支援センター「かしの木」、それとグループホームです。

―かしの木ケアセンターは入所施設ですか。

田中 入所で40名の施設です。その他に10名が通所し、日中の生活介護が50名です。

さらにうちの特色ですが、40名と別に短期入所を20名受け入れています。1泊とか1週間とか短期間だけ入所する。親ごさんが入院してめんどうを見られないとかいうケースが増えていますので。そのため、入所型施設ですが、わりと人の出入りが多いです。



  かしの木ケアセンター



―障害の種類は。

田中 基本は身体障害ですが、知的障害、精神障害含め3障害すべていらっしゃいます。重複して持っている人も。障害の程度(1~6に区分)は、おおむね4以上、4~6の人。3以下の人は入所型に入れないことになります。

 

就労支援は洗濯が主な仕事

―地域生活活動支援センターとは。

田中 日中の生活介護やリハビリなどですが、制度が異なり、三芳町、富士見市、ふじみ野市の2市1町からの委託事業です。障害の程度に関わらずおおむね毎日20名くらいが来ています。この事業は、来年度から国の生活介護事業に移行しようと申請しているところです。

―就労支援施設はどのような内容ですか。

田中 のびる作業所作業所は、知的障害者の就労移行支援9名、就労継続支援B型事業30名。移行支援は2年という期限を設けて一般就労させていくのが目的です。B型事業の方は移行支援後作業所の利用を継続していただく方です。

―どのような仕事を。

田中 ワタキューセイモア(介護・医療向け寝具衣料のリース会社)さんから仕事をいただいて、お絞りとかタオルの洗濯がメインです。その他、一般の製造企業に行ったり、県庁の掃除に行ったりいろいろな仕事があります。

―一般就労の例があるのですか。

田中 一般就労はわりと順調に達成されています。市町の就労支援センターで仕事を探してもらい、連携しています。

―就労支援施設で作業すると賃金が支払われるのですか。

鈴木 B型事業は多い方で月25000円程度です。「かしの木ケアセンター」で生活介護を受けている人でも、軽作業ができる人は仕事をしてもらい月約3000円程度お払いしています。

 

知的障害対象の「すてっぷ」と身体障害の「いっぽ」

―グループホームはいつから。

鈴木 この地域にグループホームがなかったので、08年に知的障害者を対象とした「すてっぷ」を開所しました。その後、10年に「すてっぷⅡ」と身体障害者を対象とする「いっぽ」を開きました。昨年までは制度が違い「いっぽ」は「ケアホーム」と呼んでいましたが、今年からグループホームに一本化されました。

―本体のケアセンターの入所と何が違うのでしょうか。

鈴木 大きな違いは障害程度の区分で、施設の方は区分4以上でかなり重度な方。グループホームは原則1の方です。

―グループホーム入所者は働いているのですか

田中 基本は自分で通って職場に行けるということです。「いっぽ」は、本体のケアセンターを出て地域移行された方が主で、その中でも地域の作業所に通えない方はかしの木に通っています。「すてっぷ」は、「のびる作業所」か地域の日中活動系に通っています。それ以外の人は一般就労しています。

―一般就労はどのくらい。

田中 グループホーム入所者の3分の1くらいです。

―グループホームは入所希望者が多いと聞きますが。

田中 三芳町の場合、市街化調整区域が多くグループホームが建てられません。市街化区域では地価が高くなります。それに、夜勤の職員を置かなければならないとかとなると、グループホームの補助の単価は高くないので、法人の体力がないと運営していけないのです。

―空家をグループホームに転用するというわけにはいかないのですか。

田中 昔のグループホームはそういう発想から生まれたのです。一軒家を借りて何人かで住むということで。しかし、ここ何年かは、無届けのホームの火災で死亡事故が起きたりで、スプリンクラーをつけるとか消防法の規制が厳しくなっています。補助金も出ますが自己負担もあり持ち出しになってしまいます。

 

地域の福祉の担い手を目指す

―事業内容が多様ですね。

田中 いろいろな事業を行っている方と思います。

―規模も大きい。

田中 障害者施設では普通だと思います。100人程度の規模のところもあります。建物が細長く、端から端まで100mくらいあります。



  鈴木事務長(左)と田中理事長(右)

―課題は。

田中 1つは、職員の人材確保です。それと3年ごとに報酬の改定を国が行いますが、運営していくのは厳しい単価になっています。

―費用は補助金で成り立っているのですか。

田中 9割が補助金で1割が本人負担が基本です。

―職員は不足しているのですか。

田中 うちは、賃金が極端に安いわけではないですが、福祉を希望している学生の数自体が減っています。

―今後の展開は。

田中 施設が17年たち老朽化し、修繕しなければならない部分があります。

今社会福祉法人のあり方が問われており、我々も法令順守をしながら2市1町の福祉の担い手になれるような法人を目指していこうと考えています。

 

2015年3月取材)