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  お茶の味も変わる、急須の魅力


  
 急須は、その形は複雑、注ぎやすかったりお茶の味が変わったり使い勝手も多様で、焼きものでも異色の存在だ。焼きものに詳しく、急須に魅せられている後藤隆さん(ふじみ野市)にお話をお聞きした。  

急須は道具

―急須をいっぱいお持ちだそうですが。

後藤 集めています。今30個くらいでしょうか。普段、使っているのは3種くらいですが。

―急須の面白さは。

後藤 そうですね。一つは、使っていくと変化するのが楽しいことがあります。今私が使っているのは、紅茶を淹れていますが、色が変わってきました。それと、急須によりお茶の味が変わります。たまたま、お茶を飲んでいて、急須を変えたら味が違ったんです。そこから、どうしてだろうと追求を始めました。旨みや渋みの吸収のされ方が異なるようです。



    愛用品


 
―造形、鑑賞より実用的な使いやすさを重視しているということですね。

後藤 完全に道具です。

 ―急須は焼きものの中でも作るのは難しいでしょうか。

後藤 急須の作家さんがよく言うのは、急須は手間がかかるが高く売れないと。急須は、胴、持ち手、茶漉、注ぎ口、蓋と5つの工程があります。茶碗や壺の方が作るのは楽です。

萬古、常滑が2大産地


―急須の産地は。

後藤 萬古焼(三重県) 常滑焼(愛知県)が2大産地ですが、常滑の方が歴史が浅いようです。元々は京都が煎茶道が起き早く製造されていたようで。萬古も京都で習った森有節さんという方が始めたとされています。

 萬古は紫泥、常滑は朱泥で、色が違います。味は、常滑の方がうまみも渋みも平均して吸収され、萬古の方が渋みだけを吸収するような気がします。吸収の仕方で うまみと渋みのバランスが変わります。


―気に入っている作家は。

後藤 萬古の松風窯と山本広巳さんでしょうか。松風が一家で窯をやり、その末っ子の広巳さんが独立して作家活動をしています。 

                      
                    山本広巳作品

 ただ、萬古も常滑も、古いのと新しいものは土が違うようです。今の常滑は、味にえぐみを感じることがあります。私は、できるだけ古いものを入手するようにしています。

 陶器では味が吸収されてしまうので、いいお茶ならむしろ磁器の方がよいかもしれません。


急須は売れない


―急須はどこで購入すればよいのでしょう。

後藤 急須専門店は聞いたことがありません。お茶屋さんに置いてあります。私は、東京・築地の魚河岸銘茶によく行きます。古いものは、今町のお茶屋さんに眠っていることが多いです。

―急須専門店は成り立たないのでしょうか。

後藤 今、急須は売れません。お茶を淹れる人が少なくなりました。あるいはティーバッグですませてしまう。


―うまいお茶の淹れ方を教えてください。

後藤 普通蒸し茶の場合、私は180ccのお湯に6グラムほど入れます。70度のお湯で1分半から2分くらいでしょうか。うまみを出したい時は湯温を下げます。さっぱりしたいときは上げます。値段が高いお茶は一般にうまみが多いです。常滑の絞り出しという急須は、ぬるめのお湯を淹れるのに使います。

    
                絞り出し

 紅茶は、3グラムで150cc。熱湯です。紅茶は冷めてはいけないので、保温が必要です。

―急須をゆするのは。

後藤 ゆすると、不確定要素が多くなります。注ぐ時は、ティーサーバーに入れて、それを分ける方法もあります。茶碗に直接注ぐなら均等になるよう廻し注ぎがよいです。

                       

 

                        (取材2016年3月)


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