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障害者雇用 あいアイ美術館と提携 「画家」を採用
際コーポレーション

  「紅虎餃子房」など和・洋・中のレストラン、ホテルなど展開する際コーポレーション(本社東京、中島武社長)は、あいアイ美術館(川越市)と提携して、障害者を「画家」として採用するなど、障害者雇用に積極的に取り組んでいる。同社の山岡秀哲人事部次長、當山三枝PR・プロモーション部マネージャーにお聞きした。

              
                       際コーポレーション 本社ビル
              
                              店舗(紅虎餃子房)


あくまで個人を見て判断

-際コーポレーションとして障害者雇用にどのように取り組んでおられますか。

山岡 特に近年、会社として障害者雇用を積極的に進めています。弊社も規模が大きくなり、常用雇用者数も1700名ほどになり、法定で求められる雇用数も30名強となっています。
 社長の中島も、障害やLGBT(性的少数者)を区別して見るのではなく、あくまで個人ベースでジャッジし、障害があっても積極的に雇用するよう、常々申しています。

-法定雇用を上回っているのですか。

山岡 満たしたり、少し欠けたりというところです。

-現在、何名を雇用されているのですか。

山岡 26名で、重度の方がいるので、32名とカウントされます。

-障害の内訳は。

山岡 身体障害10名、知的障害11名 精神障害5名。知的障害者のうちあいアイ美術館(川越市)で6名が勤務しています。


描いた絵を店に展示

-あいアイに勤務するとはどういうことですか。

山岡 雇用は我々が行っておりますが、あいアイさんに協力いただき、受け入れていただき、そこで作業をしていただいています。

-どんな作業ですか

山岡 6名はあいアイで絵を描くのが仕事です。その作業時間に対して給料を支払います。

-絵をどのように使うのですか。

當山 お店にディスプレイとして用います。絵が似合う店舗です。たとえば、渋谷宇田川町 「上五島」というお店でご覧いただけます。

-どのような経緯であいアイとの関係が。

當山 元々、中島社長が車が好きで、ロールスロイスの会という会に出たところ、そこで絵を描く子たちがいました。「面白い絵を描くな、うちでもやってみないか」と。それがきっかけです。

                

-障害のある人の絵の良さがあるのですか。

當山 集中力が高いので、すごく緻密です。物の見方が違い、非常にピュアな目で描くので、ハッとさせられます。

障害者も売り手市場

-他の障害者の雇用形態は。

山岡 正社員が6名、他はアルバイトです。時短ではないが、雇用形態は時給制。社員の中には、現場で店長クラスの仕事をされている方もいます。 

-今、どのような仕事で障害者を増やしているのですか。

山岡 各店においても、働く内容を限定したうえで、受け入れを積極的に進めています。最近注力しているのが店の洗い場です。お客の目に触れないわけではないが、厨房にこもって、ひたすらに洗ってということで、集中力が求められます。限られた時間内でしっかりとこなせる方が多いです。

-接客は。

山岡 臓器系の身体障害の方は雇用しています。知的、精神の人は現状は難しい面がありますが、今後は増やしていきたいと思います。

-今後の課題は。

山岡 今年4月に法定雇用率が上がりますので、まずはそれを満たすことが先決です。  現状、全国的に好景気で人の取り合いが起きており、障害者の採用も売り手市場になっています。障害者でも事務職の正社員を募集する会社も増えてきています。そういう中でハードワークの飲食店の洗い物の仕事は、人気度合いで負けてしまう。我々としては、洗い場だけでなく、調理や接客などいろいろな働き方を提案して受け入れる枠を増やしていきたいと考えています。

-特定子会社を作るという方法もありますが。

山岡 弊社ほどの規模の企業の中には、特定子会社を作り、たとえば本社に届く書類の開封だけの作業とか、給与計算の入力作業だけとか、ノンコアな業務をまとめて出す形ところが多いです。我々は、仕事を分けるのではなく、会社として現場で障害者の方にもお客様や売り上げ1円にでも貢献できるようなやり方をしたいという方針です。


お試し期間を設けて、定着率アップ

-障害者に現場で効果的に働いてもらうにはどうしたらよいのでしょうか。

山岡 まず現場の人間の理解です。現場はどうしても障害者というだけで色眼鏡で見てしまうところがある。あくまで、個人の個性、何ができるかを冷静な目でジャッジする力を 現場に養わせることです。聴覚障害の外国人の方を店の洗い場で採用したところ、最初は不安でしたが、健常者以上にパワフルに働き、驚いている例もあります。

 それと、弊社の場合、障害者雇用で、必ず2、3日のトライアル期間、3ヶ月程度の試用期間を設けています。本人もお店もダメだったらやめても大丈夫だというと、双方が安心して、受け入れしやすい。お試し期間を設けることで、理解が進み、定着率が上がっていると思います。   
                          (取材
2018年2月)

  際コーポレーションんホームページ https://kiwa-group.co.jp/
 「障害者問題を考える」(施設編)