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都心部で様々な薬草を観察できる
星薬科大学薬草植物園(品川区)

 東京都品川区の戸越商店街近くにある星薬科大学。明治期、星一が創業した星製薬の社内教育部を始まりとする。SF作家の星新一氏は、星一の子息だ。この星薬科大学には、構内には東京23区内では例をみない規模の薬用植物園があり、一般に開放されている。同植物園の枝野陽一郎さんにご案内いただいた。

     
        
         キャンパス入り口                     創立者 星一像
  

900坪の広さ、800種の植物

―この薬草園はいつできたのですか。

枝野 薬用植物園は学校(前身の星薬学専門学校、昭和16年)ができた時に同時に開かれました。現在は、大学の設置基準として、薬学部をもっている大学は薬草園を作らなければいけないことになっています。

―薬草園は何のためにあるのですか。

枝野 基本は、薬の起源植物の見本園として学生が勉強に使うわけですが、一般の方も入れます。

―他の大学の植物園と比べて特徴は何ですか。

枝野 23区内でこれだけの規模のところはないです。ほとんど郊外か遠隔地です。

          
          植物園入り口                            配置図

―広さは。

枝野 ほぼ900坪(3000平米)くらいです。

―植物の種類は。

枝野 800種類ほど。

―どういう植物が。

枝野 薬用植物園という名で、薬用がメインですが、必ずしもそれだけでなく、たとえば染物に使う色が出るとか、味があるとか、有用植物というくくりでとらえています。

―薬用とはどういうものですか。

枝野 植物そのものが何かの役にたつというものもありますし、薬品の原料になるものもあります。原料の場合でも、民間薬に使うもの、日本薬局方という薬の法律に登録されているもの生薬もあります。また、単体で薬もあるし、何かの一部にしかならないもののあります。

 

星製薬のシンボルアカキナ

―身近だが薬用になるというような観点からご案内いただけますか

枝野 今の時期、地上部がないものが多いですが。

             
          バニラ                           アカキナ

<バニラ>温室内は熱帯と温帯の植物が置いてあります。これはバニラ。ラン科で、さやの中の小さい種がバニラ味の素になります。有用なつる性の植物です。 

 

<アカキナ>キニーネというマラリアの特効薬の原料になります。星製薬は元々このアカキナという木を大量に栽培しキニーネの原料を製造したことが初期の成長の一つの要因でした。会社としてはシンボルと言える木です。

        
          マオウ                         ゲンノショウコ

<麻黄> 風邪薬などによく使う。ヒマラヤが原産。日本薬局方の代表です。

<ゲンノショウコ>道端に見られる雑草ですが、胃薬、下痢止め薬として民間薬に用いられるほか、日本薬局方もつきます。

        
          ウコン                              ハトムギ

<ウコン>肝臓の機能を高めるとされています。根を使う。カレーの原料でもあります。

<ハトムギ>数珠玉にそっくり。皮膚病とかイボ取りとかに効果があります。日本薬局方も。

<ヤマモモ> 殺虫、解毒作用があります。

     
     トリカブト                            クチナシ

<トリカブト>元々麻酔薬の原料で薬草ですが、量を間違えると毒になります。

<クチナシ>オレンジ色の実が抗炎症薬になります。よく庭先で咲いているのは園芸種で実がつかない。実がつくのは珍しい。

<チョウジ>クローブという香辛料の木。 

<南天>実が咳を止める効果があります。今年は実がつかないようです。 

     (取材 2018年12月)

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