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心身をすこやかに
調和道丹田呼吸法

 
 横隔膜や腹筋を動かす腹式呼吸。その中でも下腹部の丹田を意識して行う方法は丹田呼吸と呼ばれる。明治時代に藤田霊斎師によって創始された調和道丹田呼吸法は、上腹部を緩め凹ませて息を吐き丹田に腹圧をかけるのを特徴とする代表的な丹田呼吸だ。このほど『丹田呼吸の科学』を著した久保田武美元順天堂大学産婦人科客員教授によると、調和道丹田呼吸は「逆腹式呼吸」と定義できるという。この方法は心身の健康に効果があるということで、現在も、日暮里駅近くの公益社団法人調和道協会(鈴木俊雄代表理事)本部では毎日多くの人が実修に励む。

 

  

藤田霊斎師が明治時代に創始

調和道丹田呼吸法は、真言宗の僧侶であった藤田霊斎師が明治40年に「良心調和法」の名で今の千葉市に道場を開いたのに始まる。高野山や高尾山の参籠を経て呼吸法の奥義を極め、昭和2年社団法人調和道協会を設立した。藤田師は昭和32年に死去、その後第2代会長に村木弘昌医学博士、第3代会長に帯津良一医学博士(現帯津三敬病院名誉院長)、第4代会長に先日亡くなった日野原重明医学博士が就いた(現在会長は空席)。

                   
                      藤田霊斎師肖像画(調和道協会)

  

みずおちの下を凹ませてくびれを作る

 調和道丹田呼吸法は、腹式呼吸の1種だが、最大の特徴は、みずおち(みぞおち)の下を凹ませてくびれを作り、くびれの部分を軸に上体を前傾させながら息を吐くというやり方だ。息を吐きながら、丹田を意識し腹圧をかける。次に上体を起こしながら、息を吸う。

 呼吸は、吐くのも吸うのも原則として鼻で行う。また、息を吐く際、ハッと低い声を出す。

 呼吸には、短い短息と長い長息があり、実践の仕方として、いくつかのパターンがある。緩息は、呼気・吸気を3回繰り返す。三呼一吸法は、連続3回吐いて1回吸う。波浪息は、片手(あるいは両手)をみずおちに添えて吐く。他に、屈伸息、大振息、丹田呼吸の6つの原則を示した完全息など。また、持続的に腹圧をかける持続腹圧呼吸もある。

                  
                     調和道協会ホームページより

 

日暮里に本部道場

藤田師の著書は、明治天皇の天覧に供されたという。また戦前は、陸軍、海軍の軍人に講習するなど、社会的に重視されていた。近年は、他にも健康法が多くなり、実践する人は減ったが、JR日暮里駅近く、谷中銀座入口にある本部道場では、火曜から土曜まで毎日実習が開かれている。また、全国に、準直営・提携教室がある。

門をたたくのは、体に何らかの問題を抱えた人が多い。

            
        調和道協会本部                        鈴木代表理事

鈴木代表理事によると、「丹田呼吸で、最初の日から何となく気持ちいいのがわかりますが、それを重ねていくことが大事です。徐々に血液の循環がよくなり、自然治癒力が高まり、精神的な安定も得られるといわれています」と言う。


調和道丹田呼吸は逆腹式呼吸 久保田武美著『丹田呼吸の科学』


  久保田武美調和道協会理事・元順天堂大学産婦人科客員教授は、『丹田呼吸の科学-呼吸様式の新しい定義と逆腹式呼吸の有用性』(医学教育研究所)を著した。

             
           『丹田呼吸の科学』                           講演する久保田氏

同書によると、呼吸様式には大別して、腹式呼吸(安静時腹式呼吸、意図的腹式呼吸)、胸式呼吸(普通の胸式呼吸、浅速呼吸)、胸腹式呼吸、逆腹式呼吸がある。腹式呼吸と逆腹式呼吸はともに丹田呼吸だが、調和道は逆腹式。逆腹式呼吸は、呼気時に上腹部を凹ませ、腹圧がかかるのが特徴で、身体の健康とともに特に心の安定に効果があるという。


調和道協会ホームページ http://chowado135.org/

                                                                        (取材 2017年7月)